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18禁小説『必要なのは』

 ミステリー要素ありです。結依と首縄の出会い。
 エロは人留と紗々でパイズリ、顔射など。


『必要なのは』

 終電を逃したのが全ての始まりだった。
 首縄は上司に連れてこられたキャバクラを出た後、腕時計を見て溜め息をついた。
 所謂歓楽街である。夜を明かすとなるとラブホテルのような場所しかないが……。
 ――男一人では入れないはずですし、どうしたものか……。
 タクシーを使うのは距離を考えると恐ろしい。
「ねー、おにーさん、一人?」
 そんな首縄に声をかけてきたのは、銀色の髪と露出の多い格好が目立つ少女。
「ええ、一人ですが」
 目的は何となく分かっていながら首縄は答える。
「じゃあさ、あたしと遊ぼうよ。おにーさんかっこいいからラブホ代と三万円だけでいいよ。中出しオッケーでさ」
 首縄は数秒考えると頷いた。
「いいですよ、いきましょう」

 お世辞にも趣味が良いとは言えないホテルの一室で、首縄はベッドに腰掛け文庫本を開いていた。
 その姿を見て、少女は首を傾げる。
「シャワー浴びないの?」
「こういう場所の浴室は、どうも苦手でして」
「そっか。じゃあ即尺で五千円増し?」
「そういうのはいいです。私はただ、宿を取りたかっただけですから」
「え?」
「男一人では入れませんからね。助かりましたよ」
「えー!」
 少女、姫宮結依は叫んだ。
「ただ泊まるだけ? 困るってば、お金が必要なの!」
「協力していただいたので、いくらかは払いますよ」
「三万でもハカクなんだってば!」
「そうですか……」
 首縄は少し考えると微笑んだ。
「まあ、私も溜まっていないわけではありませんからね。それならしましょうか」
「う、うん……」
 あっさりとした態度に、結依は少々混乱する。
 大抵の客はがっついてシャワーを一緒に浴びようとしたり、すぐに身体を触ってきたりするものなのだが。
「おにーさんって変な人」
「そうですか?」
「なんか難しそうな本読んでるし」
 結依は首縄が閉じた文庫本を指差した。
「難しくはありませんよ。ミステリー小説です」
「ミステリー?」
「殺し屋が仕事とは関係のない殺人事件に巻き込まれ、仕方なく解決するシリーズです」
「へー」
 結依はじっと文庫本の表紙を見つめた。
「なんか、面白そう」
「読んでみますか?」
「あー、でもあたし、漢字読めないし」
「教えてさしあげますよ」
「ほんと?」
 結依は嬉しそうに笑うと、首縄の膝にちょこんと座った。
「おにーさん、いい人だね」
 その笑顔は、とても無邪気なものだった。

「それで、一晩中一緒に小説読んでたの?」
 紗々は首縄から昨夜の話を聞き、呆れたような声を上げた。
「ええ、読解力はなかなかのものでしたよ、一冊読んでしまいましたからね。漢字や少々難解な言葉さえ覚えれば、結構な読書家になるかと」
「ラブホテルでねえ……。そういや、お金は結局どうしたのさ?」
「教えてもらったからホテル代だけでいい、と」
「はー、その子もまあ、なかなか変わってるなあ」
「先生のファンになり得る子ですから、悪い話ではないでしょう」
「ああ、私の本だったのか」
 紗々は「なるほど」と肩を竦め、ノートパソコンに向かった。
「じゃあ、若くて可愛いファンの卵のためにも頑張りますか!」
「はい、今日が締め切りですからね」

 結依はアパートの前で悩んでいた。
 ――頑張るって言ったのに、全然稼げなかった……。
 笹本圭太は、結依を必要としてくれるたった一人の人間だ。
 家出をして街を彷徨っていた自分に住む場所を与え、生き方も教えてくれた。
 ――あたしには、圭太がいなきゃダメなんだ。
 ぐっと拳を握り締め、結依は頷く。
「ちゃんと謝れば、許してくれるよね」
 玄関のドアを開け、「ただいま」と極力明るい声を出した。
 だが、返事はない。
「出かけてるのかな?」
 六畳間へ踏み入ると、硬い物がこつんと足に当たった。
「これ、包丁……?」
 拾い上げたそれには、べっとりと血が付いている。
 そして、座卓の向こうに倒れている女。その肩から胸にかけて深く切り裂かれた痕があり、溢れ出る血が畳に染み込んでいた。
 ――この間、圭太が友達って言ってた女だ……。
 結依が息を飲んだ時、ドアの開く音がした。
「殺人事件だって通報を受けたんだが、本当みてえだな」
 入ってきたスーツ姿の男女が、警察手帳をこちらに向けた。

「これ、私たち必要ある?」
 現場へやって来た紗々と人留、そして首縄と南条。
「俺は必要ねえって言った。つーか、また部外者が増えてんじゃねえか!」
 本郷は怒鳴り、南条を指差す。
「うちの助手だ」
「そんなもん雇うほど大手になったのかよ、てめえの事務所は」
 舌打ちをした彼に苦笑し、紗々は尋ね直した。
「容疑者は自分がやったって認めてるんでしょ。何で私たちが呼ばれたの?」
「それはですねー」
 水乃がのんびりしていながらも真剣な口調で答える。
「首縄さんの名刺を容疑者が持ってたからです。これって運命じゃないですか!」
「なわけねえだろ、馬鹿」
「でもまあ本郷刑事も、何だかんだ言って私たちを呼ぶの、許したわけだ」
 紗々はニヤリと笑い、本郷を見た。
「なんか違和感があんだよ。容疑者も認めることは認めたが、それ以上は知らない忘れたばっかりだ」
「ふむ……」
 人留はまだ運び出されていない遺体に目をやる。
「えらく背の高い女だな、180ぐらいあるんじゃないか」
「ああ、俺とそんなに変わらねえ。それはいいとして、ガイシャは安斎夏江、年は43。ちょっとした会社を経営してる女だ」
「この死体、本物かよ……」
 殺人事件に関わることなど初めての南条は、その血の量に顔を顰め、口元を押さえる。
「容疑者の名前を教えていただけますか? 私の名刺を持っていたんでしょう?」
 首縄がそう言うと、水乃は「はい!」と拳を握り締めた。
「容疑者は姫宮結依、19歳。この部屋で男と一緒に暮らしてる子です」
「姫宮、結依……」
「まさかとは思うけど……」
 紗々はちらりと首縄を見る。
「先生のファンの卵、ですね」
「何の話だ?」
 人留は昨夜のことなど知るはずもなく、首を傾げる。
「ちょっとした縁で知り合った子です」
 首縄の微笑みは、あまり追求するなと語っていた。
「問題は違和感の正体なわけだ」
「ああ」
「凶器は包丁だったね。指紋は?」
「容疑者のもんだけだ。俺たちが来た時に握ってた」
「通報したのは?」
「多分同居してる男だろうな。付き合ってる女が元カノを殺したって通報してきたんだよ。今、そっちも探してる」
 紗々は「ふむ」と頷く。
「容疑者の身長」
「身長?」
「あ、わたしより低かったですよー。っていうか、小さい方でした」
「なるほど。じゃあこれが最後の質問。指紋は順手のもの? それとも逆手のものだった?」
「順手だ」
 それを聞くと、紗々は笑った。
「その子は犯人じゃないね」
「でも、認めて……」
「まあ、庇ってるとかそんなんでしょ。通報した男を早く捕まえた方がいい」
「なあ、どういうことなんだ?」
 南条は遺体から目を逸らし、問いかける。
「被害者は180センチ近い高身長。容疑者は宮原さんから見て小さな子なんだから、150かそこら。逆手ならまだしも、順手じゃあこんな深い傷を肩から負わせられないよ。力が入らないもの」
「それだ、違和感の正体は!」
 本郷は「よし!」と拳を握り締めた。
「犯人は同居してる男、か?」
 人留の言葉に紗々は頷く。
「だろうね。容疑者が部屋に入ったのを見計らって通報したんでしょ」

 笹本は友人の家にいたところを発見され、捕まった。
 警察署から出てきた結依とパトカーで連行されてきた笹本が、すれ違う。
「ごめん……」
 結依は、申し訳なさそうに俯いた。
 笹本はそれを見て舌打ちをする。
「んっとに、役に立たねえな。身代わりになるぐらい上手くやれよ」
 吐き捨てるように言う笹本に嫌悪感を露わにしつつ、本郷は彼を引っ張っていった。
 結依は振り向き、涙声で叫んだ。
「ま、まだ必要としてくれる? あの、役に、立つから! 頑張るから!」
「いらねえよ、お前なんか」
 そちらを向くこともなく、彼はそう告げた。
「そんな……」
 結依はその場に座り込むと、子供のように泣きじゃくる。
「あたし、もう必要ないって……、どうしたらいいんだよ……っ」
 それを見ていた南条はギリ、と奥歯を噛み締めた。
「あのクズ野郎、ぶん殴りてえ」
「落ち着け、あの男はちゃんと罰を受ける」
「そうだよ、貢いだ金返せって言われたから殺した、なんて身勝手な理由だ。軽い刑じゃ済まないよ」
 人留と紗々の言葉に、南条は渋々頷く。
 首縄は一人結依に歩み寄ると、ハンカチを差し出した。
「君は、他人に必要とされていないと生きられませんか?」
 結依は涙を拭うこともせず、何度も頷く。
「父さんも母さんも、あたしはバカだからいらないって言ったし、必要だって言ってくれたの、圭太だけだった……。嬉しかったんだよ、一人じゃないんだって、思えた……」
「君は馬鹿ではありませんよ。一晩であの本を読み切ったじゃありませんか」
「でも漢字も、難しい言葉も、一人じゃ分かんなかったもん……」
「教えます。君は頭の良い子ですよ。今度は、君が何かを必要とする番です」
「あたしが……?」
「教育を、学問を、本を……。好きなことをすればいいんです。結依さんは今、自由なんですから」
 首縄の言葉に、結依はパチパチと大きな瞳を瞬かせる。
「私たちは帰ろう。今彼女に必要なのは、首縄君だけだから」
 紗々は小さく笑いながら、人留と南条の背中を叩いた。

「あの子、首縄の家に住み込むことになったのか?」
 人留はポカンと口を開けた。
 事務所にやって来た紗々はソファで足を組み、「そう」と答える。
「家事をしながら首縄君に勉強教わるんだって」
「そうか、まあ良かった」
「そういや、南条君は?」
「浮気調査で出払ってる。人件費はかかるが、仕事が少し楽になった」
「それならさ」
 紗々は立ち上がり、挑発的な笑みを浮かべながらデスクに腰掛けた。
「セックスする時間、増やせるよね」
「そうだな」
「なら、今しよう」
 紗々はセーターをたくし上げ、ブラジャーを下にずらした。
 豊満な乳房を見せ付けて、彼を誘う。
「ああ」
 人留はその白い肌に口付けた。
 柔かい胸に舌を這わせ、突起に辿りつくと執拗に舐り、ちゅうちゅうと吸い、甘噛みをする。
「はは、赤ちゃんみたいで可愛いよ……」
「赤ん坊がこんなふうにするか?」
 意地悪くそう言って、もう片方の突起も指で弄ぶ人留。
 紗々はうっとりとした表情で彼の頭を抱き締めた。
 人留が強くそれを吸い上げると、紗々の身体がビクンと跳ねた。
 彼の股間は、既にズボンの上からでも分かるほど勃起している。
「ふふ、たまにはこんなのどう?」
 それに気付いた紗々は人留の頭を離すと彼の前に跪き、チャックを下ろした。
 勢いよく飛び出した肉棒を、たぷんとした乳房で挟む。
「凄いボリューム、だな……っ!」
 膣内とはまた違う、柔かく吸い付いてくる感覚に人留は声を上げた。
「人留君のおちんぽ、熱い……」
 両手で乳房を上下に揺すると、脈打つペニスの力強さが伝わってくる。
 それが嬉しくて、紗々は自らの巨乳を更に激しく情熱的に動かした。
「くっ、ほんとに、やらしい乳だ……っ!」
 人留は張り詰めた肉棒に神経を集中させ、普段とは違った快感を享受する。
 紗々の深い谷間から先端だけを出したイチモツは、もう限界を迎えていた。
「顔とおっぱいに、かけて?」
 いやらしい言葉と笑みに、人留は耐え切れず奥歯を噛み締める。
 ビュルルッと飛び出した精液は紗々の顔を汚し、胸にも落ちる。
 白濁に飾られた彼女はいつも以上に淫靡だった。
「次はどこで搾ってほしい? まだ南条君、帰ってこないよね?」
「ああ、大丈夫だ」
 既に元気を取り戻したペニスは、まだまだ紗々を求めていた。
 ――帰ってきてんだよ、バカヤロー!
 ドアの外で南条が顔を真っ赤にしていることを、二人は知らない。
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テーマ:恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2017/02/06(月) 21:39:48|
  2. 没小説
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