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18禁小説『甘い殺意』

 長いスランプから戻ってきましたー。
 紗々の設定を少し変えて18禁ミステリーを。
 前にアップしたものの修正版ですが、エロシーンは初めてのものです!


『甘い殺意』

 高級マンションの11階、その一室で男と女は睦み合う。
「ふう……、朝から元気だね」
 部屋の主であるミステリー作家、絆紗々は口角を上げた。
「最近忙しくて会えなかったんだ。仕方ないだろ」
 その上に覆い被さる熊のような大男の名は人留献也、探偵だ。
「まあ、ね」
 紗々はショートカットの黒髪を掻き上げると、豊満な身体を彼の愛撫に委ねた。
 大きな手から溢れる巨乳を、人留は捏ね回す。
「ん……、君って、おっぱい好きだよね」
「お前のだからだ」
「ああ、そう」
 ストレートに愛情を表現され、紗々の頬が薄紅色に染まった。
 三十路の熟した身体は肉付きが良く、とても扇情的だ。
 人留は紗々に口付け、その口内を貪り始める。
「ん、んん……」
 深く長いキスに、頭が蕩けてしまいそうだった。
 人留の無精髭が顔に当たりチクリとする。そんな感覚すら心地良い。
「は……、キス、長過ぎ」
 解放された紗々は照れ隠しに怒ってみせるが、人留は気にしないようで、
「愛してる」
 と囁いた。
「まったく、君は……」
 紗々は赤くなった顔を見られないように手で隠してしまう。
 その間に人留はズボンチャックを下ろし、軽く勃起している巨根を取り出した。
 紗々はそれを見るとクスリと笑った。
「半勃ちでそれなんだから、ほんと凄いよね」
「そうか?」
「そうだよ」
 上半身を起こすと、彼女はそれに手を添え裏筋に舌を這わせる。
「う……っ」
「気持ちいい?」
「ああ、かなり」
 人留はゴクリと唾を飲み、丹念にペニスを舐め上げる紗々を見下ろした。
「ふふ、ビクビク脈打って、熱くなってる」
 グロテスクなイチモツを愛しそうに撫でさする紗々の姿に、人留ももう限界だった。
「挿れていいか?」
「いいよ。昨日の晩ヤリまくったから、慣らさなくても問題ない」
「う……」
 昨夜のことを思い出し、今度は人留が赤面する。
 理性など忘れ、何度も愛し合い求め合った。それでもまだ元気なのだから、自分の性欲は底無しなのかもしれない。
「さ、おいで」
 紗々はベッドに突っ伏し腰を浮かせると、自らの手で秘部を広げた。
 使い込まれたそこからは、人留の精液が溢れ出している。
 それがまた、劣情を煽った。
 人留は紗々の腰を掴むと、そこにペニスの先端を当てがう。
「つ……っ」
 グプンとカリ部分まで押し込むと、後は思った以上に楽に入った。
 昨夜の精液が潤滑油代わりになっているのか、ぬるぬるとした膣は彼を奥へ奥へと誘う。
「はあっ、人留くんのおちんぽ、ほんと、おっきいっ!」
 紗々は甘い声を上げながら身体震わせた。
 子宮口に先端が当たってもまだ全てが入ったわけではないのだから、相当なものだ。
「ふう……、うっ」
 人留は欲望に身を任、子宮に亀頭を押し込んだ。
「あひっ! 子宮まで、犯されてるうっ!」
 雷に打たれたような強い快感に、紗々は悲鳴を上げる。
「動く、ぞ……?」
「うん、動いてえ……っ」
 腰を引くとグポンと子宮口から先端が抜けた。
 そして膣の入り口ギリギリまで引き、一気に腰を押し付ける。
「んひいいいっ」
 勢い良く子宮まで届いた巨根は火が点いたように熱い。それは紗々にも飛び火する。
「はああ、もっと突いてえ。子宮口、ガバガバになるくらいにい……」
「言われなくても……っ」
 激しいピストン運動を繰り返す。
 何度も身体を重ねた紗々の膣は決してきつくはない。だが、人留の形を覚えたそこはパズルのピースが嵌るように相性が良いと言えた。
「愛してる。最高だ、紗々……っ」
 囁くと、きゅんと締まる性器。
「今、そういうこと言うのは反則っ! んっ、おおっ!」
 何度目か分からない子宮への突きで、紗々は達した。
「ぐっ」
 子宮口でペニスを締め付けられ、人留も限界を迎える。
 まだ薄まっていない白濁液が、子宮を満たしていった。
「ああ……、すごい種付けされてる。危険日だったら確実に妊娠してた……」
 うっとりとした表情でそう言いながら、紗々は身体を小刻みに震わせる。
「ふう、流石に体力切れだ……」
 人留は紗々を抱き締め、ベッドに倒れ込んだ。

 昼前に起きてきた二人。リビングで紗々は人留に一枚のチラシを見せる。
「なんだ、スイーツフェア?」
 チラシは近所のデパートで行われるスイーツフェアを宣伝するものだった。
 少し、嫌な予感がした。
「行きたいのか?」
「うん、行きたい」
 紗々は甘い物が好きなのだ。一方人留は甘味が苦手。
「ねえ、人留君。せっかくだからデートしよ?」
 だがその言葉にノックアウトされ、人留は紗々に付き合うことになった。

 日曜日、デパートの最上階で行われているスイーツフェアはなかなか盛況のようだった。
 ワンフロアがさまざまな甘味の入ったショーケースで埋め尽くされ、女性客が楽しそうに見て回っている。
 しかもこの催しは菓子を売るだけでなく、作っているところも見せてくれるらしい。
「今日来てるパティシエは三人か。チョコと飴細工と砂糖菓子を作ってるところが見られるんだって」
 パンフレットを見ている紗々はわくわくしている様子。
 その姿を見ているといっしょに来て良かったと思ってしまう辺り、人留も大概単純だ。
「なんかさ、スイーツって見た目が可愛いよね」
「ああ、そうだな」
 確かに、置いてある菓子はどれも華やかで彩り豊かなものばかり。
「あ、このケーキおいしそう」
 紗々が指差した先には、ザッハトルテがあった。チョコレートの塊のようなケーキである。
「後で食べたいな」
「今じゃないのか?」
「色々見てから決める!」
 そう言って、紗々は他のショーケースの中も見て行く。
 そういうところを見ていると、やはり可愛いなあと思う。
 人留はというと、色とりどりの甘味に囲まれて視覚だけで胸やけをしそうな気分なのだが。
 ――まあ、紗々が楽しそうだからいいか。
「あ、ちょうど作ってる最中みたいだよ」
 中央のスペースで、まだ若いパティシエがチョコ作りをしている。
「生クリームを入れると、ガナッシュクリームになります。これで生チョコを作るんです」
 パティシエはボウルに入ったどろどろのチョコを泡立て器で混ぜているところだった。
「生チョコっておいしいんだよね」
「そうなのか?」
「うん、普通のチョコより柔らかくて味がまろやかで……。後で買って帰ろうか」
 人留たちがそんな会話をしている間もパティシエは手早く作業をしており、いい具合になったらしいチョコは型に流され、冷蔵庫に入れられた。
「固まったら販売しますので、買ってくださると嬉しいです。もちろん、味見用もありますので」
 甘いマスクのパティシエがそう言ってウインクをすると、見ていた女たちがキャッキャッと悦ぶ。
 最近はどの職業も表に出てくるのはイケメンばかりだ。
 紗々の方を見ると、パティシエには興味が無いらしく既に他のショーケースに目をやっていた。
 人留はそれに少しほっとした。
「あのお菓子も可愛い」
 しかし、菓子は見た目が大事らしい。
「ふふ、脳で味わうんだから視覚的な情報も味のうちだよ」
 まるで彼の心を見透かしたように紗々は笑う。
「脳で味わう?」
「そう、味覚を処理するのだって脳でしょ? だから脳で味わってる」
「はあ……」
「ちなみに羊羹とかコロッケみたいに長方形、楕円形の物は縦横比三対五がベスト。黄金比ってやつだね」
「次に羊羹を切る時は、三対五になるようにするよ」
「頑張って」
 紗々らしい意見だとは思うが、人留にとって食べ物を味わうのは舌で、満足するのは胃袋だ。
 ――まあ、黄金比は覚えておこう。

 このフロアには喫茶スペースがあり、買った菓子を飲み物と一緒に楽しむことができる。
 今、彼らはそこで一息ついていた。
「んー、おいしい!」
 ザッハトルテを食べている紗々の顔から笑みがこぼれる。
「良かったな」
 チョコレートの塊は、人留にとって凶器でしかないが。
「ねえ、君は食べないの?」
 そんな彼はコーヒーしか飲んでいない。
「甘い物は苦手だ」
「せっかくだから一口ぐらい食べてみなよ。あーんしてあげるから」
 それは、魅力的な提案だった。
「じゃあ、一口」
「はい、あーん……」
 少し恥ずかしいとは思ったが口を開けると、紗々は一口サイズに切ったザッハトルテをフォークで人留の口に運んでくれた。
 今自分たちは立派なカップルだ、などという満足感と共にそれを咀嚼する。
「う、あま……」
 だが、やはりザッハトルテは甘過ぎた。
 顔をしかめる人留を見て、紗々はにやにやと笑っている。
「君のその顔が見たかったんだ」
「くそ、サディストめ」
 人留はコーヒーで甘味の塊を流し込んだ。
「ふふ。そういうところ、可愛いよ」
「そうかよ」
「おいしかった。ごちそうさまでした」
 食べ終わった紗々はパンフレットを手にする。
「もう少ししたら飴細工やるってさ、見に行こうよ。ちなみに砂糖菓子は三時からだって」
「もうそんな時間か」
 時計を見ると、今は一時前。
「飴細工ってどんなのかなあ、綺麗かなあ」
 紗々がそう言った時、悲鳴が聞こえた。
「何だ?」
 周りに座っていた人間たちも顔を見合わせている。
「行ってみるか」
 二人は事件にはそれなりに慣れている。とにかく悲鳴のした方へ向かった。
 人が集まり始めているそこは、フロアの隅のスタッフルームだった。
「あ……」
 ドアを開けて立ち尽くしているのは。先程チョコレート作りをしていたパティシエだ。
 スタッフルームの中で、中年の男が胸から血を流して倒れていた。
 どうやら、殺人事件らしい。

 それから数十分後、このフロアから客は消え、代わりに警察で騒がしくなっていた。
 スタッフルームの側にいた警備員によると、入ったのは関係者のみで客が犯人という可能性は低いらしい。
 ということを顔見知りの刑事たちから聞いた。
「何でお前らがここにいる」
 眉間のしわがトレードマークの刑事、本郷啓太が俺たちを見る。
「偶然だ」
「ひょっとしてデートとかですか?」
 茶色の髪をセミロングにした童顔の女刑事、宮原水乃は空気を読まずに明るい声で尋ねる
 人留と紗々は今までに何度か殺人事件を解決したことがあり――主に紗々の功績だが――、警察に協力することが多いのだ。
 もっとも、本郷はそれを良く思っていないようだが。
「とりあえず情報ちょうだい、本郷刑事」
 紗々はそう言って両手を突き出す。
「容疑者は三人。今日ここで菓子を作ることになってたパティシエたちだ」
「チョコレート作りをしていた高崎友哉、飴細工をするはずだった中野圭斗、砂糖菓子を作るはずだった武藤弘の三人です」
 本郷と水乃の話を総合すると、被害者はパティスリーオーナーの佐々木浩一。生きている姿を最後に見たのは中野で、それは十二時半頃のことらしい。つまり、死亡推定時刻は十二時半から十三時の間ということになる。
「私たちも容疑者に会っていいかな?」
「勝手にしろ。喫茶スペースで待機してる」
 ぶっきらぼうにそう言う本郷に礼を言い、人留と紗々は水乃と共に喫茶スペースに向かった。
「あの、皆さん。お二人がお話を聞きたいそうです」
 水乃が声をかけると、座っていた三人がこちらを見る。
「その人たちも刑事さんですか?」
「いえ、探偵とミステリー作家です」
「はあ……」
 三人は訝しげに顔を見合わせたが、まあいいやと言った様子で自己紹介を始めた。
「主にチョコレートを取り扱っています、高崎です。オーナーの経営していたパティスリーの従業員です。あとの二人も俺と同じですよ」
「飴細工をしている中野です」
「砂糖菓子を作っています、武藤です」
 三人とも二十代後半だろう。高崎は先程も言った通り甘いマスクのイケメンで、中野は線の細い気弱そうな色男。武藤は対照的にがっちりとした逞しそうな男だ。
「探偵の人留です」
「ミステリー作家の絆です」
 二人は彼らと向かい合うように座った。
 高崎は頭を掻く。
「さっき刑事さんにもお話ししましたが、第一発見者は僕です。一時頃に休憩しようとスタッフルームに行ったら、オーナーが殺されていて……」
「なるほど。それで、中野さんが佐々木さんと最後に会ったんですね」
 紗々の問いに中野は頷く。
「はい、僕が十二時半頃休憩しにいった時、オーナーと二、三言葉を交わしました。調子はどうだ、とか」
「武藤さんは?」
「俺はちょうど高崎がパフォーマンスしてた時、十一時頃にスタッフルームに行きました。中野と同じように二、三オーナーと話して……。あの、中野が行った時は生きてたんですから、俺は関係ないですよね?」
「ええ、話を聞かせていただくだけですよ」
 紗々は、中野が嘘をついていない限りとは言わず、穏やかな口調で答える。
 紗々が物腰柔らかなためか、三人は落ち着いてきたようだ。
「十二時半から十三時までの間、皆さんは何をしていましたか?」
 人留は基本的な質問をした。
「僕は販売の方に回っていました、お客さんと話しをしたり。ただ、在庫を取りに行くため持ち場を離れる時はありました」
 高崎はアリバイと言えるほどのものはないらしい。
「僕はパフォーマンスのための準備ですね。裏で飴を溶かし始めていました。一人だったので、証言してくれる人はいません」
 中野も同じ。
「俺も高崎といっしょです、販売の方ですね。俺も在庫とかは取りに行ったなあ」
 三人とも確固としたアリバイはなし、といったところだ。
「ありがとうございました。またお話を聞かせてくださいね」
 紗々はにっこりと笑って立ち上がる。
「宮原刑事、もう少し詳しい話を聞かせてくれるかな?」
「はい、本郷さんの所に戻りましょう」
 喫茶スペースを離れてスタッフルームに行くと、『立入禁止』のテープの向こうで本郷が唸っていた。
「どうしたの、本郷刑事」
 紗々が訊くと、本郷はこちらを睨みつけてきた。
「凶器が見付からねえ。容疑者たちが使ってる包丁とは幅が違うんだ。傷口は三センチ、包丁はもっと幅が広い……」
「調べたのか?」
「ああ、持ち物は全部調べた。だが包丁以外に凶器になりそうな物は無かった」
「消えた凶器、か」
 紗々は人差し指で唇をなぞった。
「何か分かったってのか」
 本郷が険しい目付きで紗々を見る。
「見当は付いてる」
 そう言って紗々は微笑んだ。

 人留と紗々、そして本郷は三人のパティシエが待つ喫茶スペースに戻った。
「犯人が分かりました」
 本郷がどこか忌々しげに言う。
 やはり部外者である紗々が事件を解決するのは良い気分ではないらしい。
「本当ですか! 一体誰が!」
 中野が立ち上がる。
「この事件のポイントは凶器です。人を殺せるような物は包丁以外にない。しかし包丁は凶器ではない」
 紗々は人差し指を立てた。
「でもね、一つあるんです、凶器になり得る物が。皆さんの専門分野にね」
「俺たちの、専門分野に……?」
「はい、それは……」
 紗々が言いかけたところに水乃が駆けて来た。
「あの、ルミノール反応出ました!」
 全員が水乃を見つめた。
「ボウルの中の、飴から!」
 視線が中野に移る。
「溶けた飴を薄く固めて、先が尖るように割る。それだけで立派な凶器ができるんです。しかも、使い終わったら軽く血を洗い流して再び溶かし、飴細工に使う。後はお客さんが食べてくれます。でも、ルミノール反応が出た以上言い訳はできませんよ」
 紗々に見つめられ、中野は何も言わず座り込んだ。
「貴方が大切な誰かのために踏み止まれなかったこと、私は残念に思いますよ」
 事件を解決したあと、紗々はいつも殺人者にそう語りかけるのだ。

 こうして事件は解決した。中野は佐々木と独立のことで揉めていたらしい。
「あーあ、もっとスイーツを楽しみたかったなー」
 人留と紗々は帰路についていたが、解決した当の本人は残念そうだ。
「甘い物ならまた買ってやる」
「絶対だよ?」
「ああ。だから……」
「ん?」
「これからも、一緒にいてくれ」
「ふふ、何それ」
 共にいる時間は長いというのに、掴み所がなく謎の多い紗々を繋ぎ留めておきたくて、人留はその手を握った。
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テーマ:恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2016/08/31(水) 16:04:29|
  2. 没小説
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