FC2ブログ

18禁小説『絆されて貴方と』

 カテゴリ変更と上げ直し、笹原と時雨のちょっと切ないエロです。


『絆されて貴方と』

 医師としての仕事が終わった後、時雨は同僚の笹原と共に居酒屋に来ていた。
「あー、また駄目だったよちくしょー」
 そう言って、笹原はぐいっとビールをあおる。
「合コンですか?」
 時雨は焼き鳥を食べながら問いかけた。
「そ、現在十連敗中だよ、藍澤先生」
「それはそれは……」
 さすがの時雨も、ほんの少し同情してしまう。
「俺って別に、顔は悪くねえよな?」
「まあ、悪くはないですね」
「一緒にいて楽しくないわけじゃないだろ?」
「ええ、まあ」
「やっぱ医者って肩書きがなあ。一気にハードル上がっちまうんだよ。勤務医は金も時間もねえのにさ」
「そうですね。その辺りを分かってくださる同業者の中から探したらどうです?」
 何気なく言った時雨だが、笹原はジョッキを持ったままポカンと間抜けな顔をした。
 そこで時雨も自分の『失言』に気付く。
「俺のこと、誘ってる?」
「誘ってません!」
 慌てて否定したが、笹原は「うーん」と考え始める。
「いや、俺は藍澤先生でもいいんだぜ?」
「でもって何ですか、でもって」
「藍澤先生って美人じゃん?」
「それはどうも」
「スタイルだってモデル並みだろ? 胸はねえけど」
「喧嘩売ってます?」
「売ってねえよ」
 笹原は「あー」と声を上げて上を向き、顔を押さえた。
「なんかマジで藍澤先生でいい気がしてきたわ」
「失礼な言い方ですね。せめて藍澤先生がいいぐらい言ったらどうです?」
 時雨は焼き鳥の串を笹原に突き付ける。
「じゃあ、藍澤先生がいい」
「こちらは良くありません」
 と、時雨はにべもなく言うが笹原は食い下がる。
「とりあえずさ、一回やってみねえ?」
「何をですか?」
「セックス」
 時雨はガクリと肩を落とした。
「貴方、そんなんだからモテないんですよ」
「でもさ、俺と藍澤先生の仲だろ? 一回ぐらい体の相性確かめてみてもいいと思うんだよ」
「そんな軽い気持ちでする行為ではないでしょう?」
「たまにはいいんじゃねえの? 酔った勢いだと思ってさ」
「生憎、私はまだ酔っていないので」
「じゃあ、本気で付き合うのを前提にやらせてください」
 笹原がジョッキを置いて頭を下げたので、時雨は溜め息をついた。
「ですから、頭を下げられてそうですかとする行為では……」
「じゃあ土下座すんぞ、人前で! 大の男が! 泣きながら!」
「やめなさい。あと声が大きいです」
 時雨はもう一度溜め息をつく。
「大体、私なんかとしても時間の無駄ですよ。こんな貧相な体を抱いても面白くないでしょう」
 本心からそう言った時雨を、笹原はまじまじと見つめた。
「何です?」
「いや、自分の魅力ってもんを分かってねえなあと思って」
「自分のことは自分が一番よく分かっていますよ」
「藍澤先生はほんとにいい女だと思うぜ?」
「お世辞は結構」
「お世辞じゃねえって」
 今度は笹原が溜め息をついた。
「なあ、もうほんと頼むから一回やらせてくれよ。後悔はさせないし、責任も取るから」
「そんなに、したいんですか?」
 時雨は顔を赤らめ、尋ねる。
「ああ、したいよ。藍澤先生としたい。藍澤先生だからしたい」
 珍しく真剣な顔をする笹原。
「では、一回だけですよ……」
 おだてられたわけでも乗せられたわけでもない。ただ、絆されたのだ。
「じゃあ、ホテル行こうぜ」
 笹原は残っていたビールを飲み干した。

 近くにあったラブホテルの一室、そこに二人はやってきた。
「藍澤先生は、ラブホテルとか初めてか?」
「ええ、まあ」
 笹原の問いに、時雨は頬を赤くして頷いた。
「そっか……。じゃあ早速」
 笹原は時雨を大きなベッドに座らせると、彼女のネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外していく。
「い、いきなりですか……」
「そのために来たんだろ?」
「そう、ですが」
 白いブラジャーが露わになる。笹原はそのままベルトに手を伸ばし、ズボンも脱がせてしまった。
「やっぱ藍澤先生でもブラとパンツは揃いなんだな」
「でもってどういう意味ですか」
「いや、ちょっと意外だっただけだ。気にすんな」
 笹原は笑って時雨の白い首筋を撫でた。
「ふ……」
 それだけで、甘い吐息を漏らしてしまう時雨。
「敏感」
「黙って、ください……」
 時雨は奥歯を噛み締めた。
 笹原の手がブラのホックを外し、外気に晒された薄い胸に触れる。
「ん、あ……」
「乳首がピンク色だ。もしかして、処女だったりは……」
「ち、がいますよ……。それなら頭を下げられても、貴方なんかにほいほいついてきたりはしません」
 時雨はなんとか悪態をついた。
「はは、だよな」
 笹原は苦笑し、平たい胸を愛しそうに撫でる。
「楽しい、ですか?」
「何が?」
「こんな、平たい胸を触って」
「そうだな、藍澤先生の胸だから楽しいよ」
 ――勘違いしてはいけない……。
 時雨は胸に与えられた刺激で出そうになった声を抑え、思う。
 ――彼は女に餓えているだけで、私のことが好きなわけではない……。
 自分も、笹原のことが好きなわけではない。
 ――ああ、不毛……。
 笹原の指が、時雨の胸の突起を摘む。
「んっ!」
 思わず高い声を上げてしまい、時雨は手の甲で口を押さえる。
「なーに考えてんだ? こういう時は集中してくれよ」
 笹原はそう言い、乳首をくにくにと弄る。
「ん、あっ!」
 胸の先端から、体中に甘い電流が走った。
「感じてるか? せっかくなんだ、思い切り気持ち良くなろうぜ」
 笹原はパンティに手を滑り込ませると、既に濡れている秘部をくちゅくちゅと弄り始めた。
「そこは、ああっ!」
 時雨はビクビクと体を跳ねさせる。
 そんな彼女の体を優しくベッドに押し倒すと、笹原は薄紅色の唇に口付けた。
「念のため訊くけど、ほんとにいいんだな?」
 真剣な目で見つめられ、時雨は頷いた。
「今更、やめられないでしょう?」
 去勢を張って、挑むように見つめ返す。
「そりゃそうだ」
 笹原は苦笑し、パンティを脱がせると膣に指を差し入れる。
 掻き回すと淫猥な水音が部屋に響いた。
「はあ……、あっ、そこっ!」
「ここが、いいのか?」
「ちがっ! だめです、感じ過ぎて……っ!」
 余裕のない声で時雨が訴えると、笹原はニヤリと笑って二本の指でその場所を刺激した。
「あっ! だめって、言ってるのにいっ!」
「こういう時の『だめ』は『いい』ってことなんだろ?」
「ふあっ! ああっ!」
 時雨は足をばたつかせるが、笹原はその足首を掴んで肩にかける。
「もう、挿れるぜ? すっかり興奮しちまったよ、藍澤先生がエロいから」
 笹原はズボンを脱ぎ、トランクスからイチモツを取り出した。
「特別大きいってわけじゃなくて悪いけど」
 そして時雨の膣口に勃起したそれを押し付ける。
「は、あ……。いい、ですよ、別に……」
 なんとか言葉を返し、時雨は覚悟を決める。
 ――今更、後悔なんてしない。
 きゅっと目を瞑り、貫かれる感覚に耐える。
 にゅぷんっと入ったそれは膣壁を押し広げ、熱い快感を生み出した。
「あっ、あーっ!」
 時雨はシーツを握り締め、素直に声を上げた。
「藍澤先生の中、すげえ締め付けだな……」
 笹原は額に汗を浮かべながらピストン運動を開始する。
「ひっ、あっ! 動いちゃ、だめっ!」
「動いていいと取るぜ?」
「どうして、そう……。あっ、あんっ! きもちいひっ!」
 獅童とはまた違った、どこか優しさのあるセックスに時雨は酔いしれた。
「はあ……、藍澤先生……」
 いつもの冷静さを捨て乱れる時雨の姿に、笹原はすっかり魅入られてしまう。
「こんなに、気持ちいいの、初めてで……。私、わたひい……っ!」
 ぽろぽろと零れた時雨の涙を、笹原は優しく舐め取った。
「やべ、もう限界だ……。中に出すぜ?」
「はひ、中に、出していいれすからあっ!」
 笹原が一際強く腰を打ち付ける。
「ひっ! あああっ!」
「くっ」
 先にイッた時雨の締め付けで、笹原も達した。
 熱い白濁液が子宮まで流れ込み、時雨は意識を失った。

「朝帰りになってしまいましたね」
 ホテルを出た二人は、夜明けの街を歩いていた。
「ま、たまにはいいんじゃねえの。今日が休みで助かったぜ」
 二人は先ほどのまでの行為が嘘のように、いつもと変わらぬ態度を保つ。
「始発待つか? それともタクシー?」
「私はタクシーで」
 だが、お互いに目を合わせることはしなかった。
「タクシーならすぐ通るだろ」
「そうですね」
「なあ」
「はい?」
 笹原はまだ車の少ない道路を見つめながら、その言葉を口にした。
「俺と、付き合わねえか?」
「すみませんが、11連敗で」
「ちぇ、記録更新かよ」
 時雨はタクシーが走ってくるのを見ると手を挙げた。
「貴方は方向が違いましたよね?」
「ああ、俺は始発まで失恋の痛みを噛み締めてるよ」
「そうですか」
 時雨は止まったタクシーに乗り込み、マンションの名前を告げた。
 発車する前に、ちらりと笹原を見る。
 その背中は淋しそうで、ふと思ってしまった。
 ――もしまた頭を下げられたら、付き合ってしまいそうだ……。
スポンサーサイト



テーマ:恋愛:エロス:官能小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2016/02/04(木) 20:59:24|
  2. 没小説
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<二話『墓前の花』 | ホーム | 18禁小説『コンプレックスなの』>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://bsophist.blog.fc2.com/tb.php/269-2eaa1d85
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)